相互直通運転を行う各社の車両
2013年3月からの相互直通運転により、みなとみらい線元町・中華街駅から横浜駅、渋谷駅を経由して、東京メトロ副都心線、東武東上線、西武有楽町線・池袋線までがひとつの路線として結ばれ、所要時分が短縮するなどさらに便利にご利用いただけるようになりました。
これにより東横線内では、ラッシュピーク時間帯は、上り(横浜駅~渋谷駅間)の所要時分が約2分短縮、さらに沿線内から新宿・池袋方面へ乗り換えることなくつながることで都心へのアクセスが大幅に向上しました。また、2017年3月からは、西武秩父方面へ全席指定(有料)でゆったり快適にご利用いただける「S-TRAIN」の運行も開始しました。
日吉駅~相鉄線西谷駅の間に約10kmの連絡線(相鉄・東急直通線)を新設する計画が進んでいます。日吉駅~新横浜駅(仮称)を「東急新横浜線」、新横浜駅(仮称)~西谷駅を「相鉄新横浜線」として2022年度下期開業予定です。
この連絡線は鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、鉄道・運輸機構)が施設を整備・保有し、相模鉄道と東急電鉄が使用して営業します。上記連絡線に加え、鉄道・運輸機構と相模鉄道が別途整備を進め、2019年11月に開業した連絡線(相鉄・JR直通線)の一部を活用することにより、相鉄線と東急線との相互直通運転を行います。これらの連絡線の整備により、神奈川県央部や横浜市西部と東京都心部が直結され、首都圏の広域的な鉄道ネットワークが形成されるとともに、東急線から新幹線(新横浜駅)へのアクセスも向上します。開業後には所要時分が短縮され、乗換回数が減少するなど、より快適に目的地に行くことが可能となります。
相鉄・東急直通線 新横浜駅(仮称)完成予想図
大井町線6020系
2020年3月のダイヤ改正では、混雑緩和やさらなる利便性向上を目指し、東横線では平日6時台に特急を新設、目黒線では平日朝ラッシュ前や帰宅ラッシュ時に列車増発を実施しました。同6月のダイヤ改正では大井町線において、夕夜間の田園都市線直通急行の運転開始時刻を17時台に繰り上げました。
混雑緩和と利便性向上を目的として、2022年度上期から、東急電鉄が保有する車両(全26編成)を6両編成から8両編成に順次変更し、輸送力の増強を行います。8両編成化は、2022年度下期(予定)の東急新横浜線開業までの完了を予定しています。なお、8両編成化に伴い追加される2両分のホームドアについても、8両編成車両の運行開始までに全13駅で整備を行い、ホーム上の安全対策を実施します。
段差の解消が必要とされていた97駅全駅で、バリアフリールートの整備を完了しています。
全てのお客さまが利用しやすい鉄道を目指し、東横線・田園都市線渋谷駅の出入口B6ならびにA6付近、田園都市線三軒茶屋駅、桜新町駅においては、バリアフリールート2ルート目となるエレベーターを増設しました。また、東横線白楽駅、田園都市線江田駅においては、エスカレーターを設置し、それぞれ運用を開始しています。
触知案内板
内方線付き点状ブロック
全駅での点字運賃表の設置や、自動券売機および、点状ブロックで誘導している自動改札機で点字表示をしているほか、構造が複雑な駅では、構内の施設の場所や現在地を点字でご案内する触知案内板を設置しています(一部音声案内付き)。
ウォシュレット®(渋谷ちかみちラウンジ)
駅のトイレを快適にお使いいただくため、ウォシュレット®※の導入を進めており、2019年度までに80駅での設置工事が完了しました。2020年度は渋谷駅や中目黒駅の一部未整備箇所への設置を予定しています。
また、多機能トイレは、全てオストメイト(人工的な排泄機能を持つ方)に対応し、お子さま連れのお客さまのためにベビーベッドを設置しています。
※「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。
全ての編成に車いすスペースを設けているほか、1999年度以降の新造車両では、床面の高さを下げ、ホームとの段差を小さくしています。2007年度以降の新造車両には、車いすスペースに高低2段の手すりを導入し、7000系では、車両の両端に3人がけのクロスシートを採用して、ベビーカーなどを利用されるお客さまのためのスペースを設けています。また、2016年度以降の新造車両では全ての車両にフリースペースを設けています。
車いすスペース
3人がけクロスシート
ベビーカーマーク
2014年3月、国土交通省を中心とした協議会において、ベビーカーを利用しやすい環境をつくるための取り組みの一環として、「ベビーカーマーク」が制定されたことを受け、東急電鉄では、車両に設けた車いすスペースおよびフリースペースにベビーカーマークの掲示を行いました。引き続き、子育てしやすい環境をつくるため、あらゆるお客さまに安全で安心してご利用いただける設備・サービスを提供していきます。
資格取得者の名札
お年寄りやお身体の不自由なお客さまなど、どなたでも安心して東急線をご利用いただけるよう、歩行の介助や車いす操作など、ケアされる方と同じ目線に立ち、お手伝いができる「サービス介助士」の資格取得を積極的に推進しています。
鉄道技術アカデミーの様子
鉄道事業の電気部門、工務部門、車両部門の技術員と運転部門、駅部門から選抜された社員を対象に、「鉄道技術アカデミー」を定期的に開講しています。鉄道技術アカデミーは、それぞれの専門分野外の鉄道技術、知識や制度はもちろん、運転法規をはじめとした法令や制度など多岐にわたる各分野を学び、鉄道各部門の技術を俯瞰する視野を身に付け、横断的な取り組みを起こせる人材を育成するために設立されました。
車両部門の技能競技会
技術部門では、設備の更新に伴う機器の性能向上により、部品などの故障や劣化による取り替えが少なくなってきている現状を踏まえ、組織の技術力強化やベテランから若手への技術伝承、従業員のモチベーション向上などを目的に、競技会や講習会を定期的に実施しています。
AED
世田谷線の一部を除く全ての駅にAEDを設置しています(世田谷線は三軒茶屋駅、上町駅、下高井戸駅のみ設置)。
東急線の運行情報、各駅の時刻表や列車走行位置、また、運休や遅延などの運転支障が生じた際に便利な迂回ルート検索など、東急線に関するさまざまな情報やサービスを発信するスマートフォン向けアプリケーション「東急線アプリ」を提供しています。
また鉄道会社12社局が、鉄道を便利で快適に楽しくご利用いただくことを目指して、各社公式スマートフォンアプリで、列車の走行位置と時刻表機能の連携を行っています。
「駅視-vision(エキシビジョン)」画面
駅構内の様子を配信するサービス「駅視-vision(エキシビジョン)」を鉄道会社として初めて導入しました。駅改札口の混雑状況などを、視覚的に、かつタイムリーにご確認いただくことで、乗車の見合わせや迂回ルートの選択など行動判断の一助としていただき、負担感の軽減や東急線のさらなる安全性向上を図ります。
2019年3月、渋谷駅でのサービスが加わり、東急線全85駅(世田谷線、こどもの国線を除く)が対象駅となりました。
また、定期券うりばの待ち時間がわかる「定期券駅視-vision(エキシビジョン)」のサービスを開始しました。東急線内の定期券うりば(全16カ所)に設置された駅構内カメラから画像を取得し、検出された人の数からおおよその待ち時間を算出し配信します。
「駅間time」は、路線と出発駅・到着駅を指定して検索すると、直近の列車の所要時間実績を表示するサービスです。このサービスによって、悪天候やトラブル、不慮の事故による列車遅延の際も目的地までの所要時間実績を確認することができます。
「車両別混雑度」表示画面
混雑の平準化・遅延の解消を目的に、東横線、目黒線、田園都市線平日全列車で、車両別の混雑度を表示するサービスを実施しています。到着する列車の車両ごとの混雑度を6段階の色やアイコンで表示し、空いている車両を「見える化」することで、通勤時など、利用する列車を変えることができない場合でも、お客さま自身で車両を選択し、快適に乗車いただくことが可能です。
また、東横線、目黒線では各車両ごとの優先席・フリースペースの位置も表示されます。
15分以上の遅れが発生した場合、東急電鉄ホームページや、「東急線運行情報メール」「お知らせモニター」などで最新の運行情報を発信しています。
運行情報メールの画面
携帯電話・スマートフォン向けのサービスで、ご登録いただいたお客さまに運行情報をメールでお知らせしています。
たまプラーザ駅のお知らせモニター
東急線各駅(世田谷線の一部の駅を除く)改札付近などに設置した大型ディスプレーで、支障区間や原因、振替輸送情報などを、迅速に分かりやすくご案内しています。
より分かりやすい案内を目指し、各種案内サイン、路線図、運賃表などに駅ナンバリングを導入し、路線カラーで表示しています。
駅名標
駅ナンバリング
東急線では、ホーム・コンコースで公衆無線LAN(Wi-Fi)サービス対応を順次進め、2013 年8 月にこどもの国線を除く全駅で、主要携帯電話会社3社を含む各通信事業者のWi-Fiサービスがご利用可能になりました。
2013年12月には、高速インターネット通信が可能なWiMAXサービスも、こどもの国線を除く東急線全線でご利用可能になりました。
東急線の駅係員がお忘れ物をお預かりした際に、お忘れ物の特徴などのデータをシステムに登録することにより、各駅の係員がお忘れ物の情報をリアルタイムに検索できる「お忘れ物検索システム」を導入し、お客さまのお忘れ物をスピーディーにお探ししています。
東急線の駅付近や高架下などに駐輪場を整備しています。駅の利便性を高めるとともに放置自転車を減らし、駅周辺環境の整備に努めています。
詳細は下記ホームページをご覧ください。
ホームからの転落事故や列車との接触事故防止策として、ホームドア・センサー付固定式ホーム柵の設置を2020年3月に完了しました。(世田谷線・こどもの国線を除く)
ホームドア
従来の設置計画を大幅に加速し、2020年3月22日の大井町線等々力駅の運用開始をもって、東横線・田園都市線・大井町線の全64駅の設置が完了しました。(目黒線は全13駅設置済み)
ホームドア設置の進捗とともにホーム上の安全性が高まり、お客さまのホーム転落件数やホーム上における輸送障害件数が大幅に減少し、安全・安心輸送の確保に大きく貢献しています。
センサー付固定式ホーム柵
池上線・東急多摩川線では、全22駅にセンサー付固定式ホーム柵の設置を完了しています。
転落防止ゴム
お客さまが足を踏み外して列車とホームとの隙間に転落しないように、ホームの側面に隙間を狭めるための転落防止ゴム(くし型状のゴム)の設置を順次進めています。また、ホームの下には転落報知機を設置しており、万が一お客さまがホームから転落した際などには、センサーが作動して駅係員や乗務員に転落を知らせます。
非常停止ボタンと案内看板
事故を防ぐため、東急線81駅のホームに、「非常停止ボタン」を設置しています(世田谷線および目黒線を除く)。ボタン操作で、付近の列車は緊急通報を受信し、運転士のブレーキ操作により緊急停止します。
インターホンと案内看板
防犯ボタン
駅構内で不審物や不審者を発見したときや、トラブル発生時、また、お身体の具合が悪くなったときなど、駅係員・警備員のお手伝いが必要となった際に通報いただける、防犯ボタンやインターホンをホーム上やトイレに設置しています(列車は止まりません)。
防犯カメラ
駅構内の状況確認や犯罪抑止を目的として、ホーム、改札口、券売機、定期券うりばなどに防犯カメラを設置しています。
駅構内の警備
日頃から、定期的に駅係員および警備員が駅構内を巡回し、不審物、施設の不備などお客さまに危険が及ぶ箇所がないか、確認、警備を実施しています。また、お客さまの流れの変化などに対応し、警備体制の見直しを行っています。
大きく分かりやすくなった避難通路表示
(非常口のご案内)
国土交通省の基準に基づいて、2通路以上の避難通路の確保や、火災時におけるホーム階の排煙のための非常電源設備の設置などを、全ての地下駅で実施済みです。
停電時に稼働する、駅の非常用発電機
列車運行に必要な電力は、沿線に設置した複数の変電所から供給しており、一部の変電所が停電しても列車の運行は確保できます。また、全ての電力供給がストップし、駅間で列車が停止する状況になった場合でも、車両に搭載したバッテリーにより、車内の非常照明や放送設備などは正常に機能します。
地下駅では、停電に備えて非常用発電機を設置しており、トンネル内を含めた非常照明や駅放送設備など、防災上必要な機能が確保されています。
車内防犯カメラ 設置の一例
テロ行為や吊革盗難など車内における犯罪行為の未然防止を目的に、2015年3月より順次、車内防犯カメラを設置、2020年4月からはソフトバンク株式会社の4Gデータ通信に対応した、LED蛍光灯一体型の防犯カメラ「IoTube」を導入し、2020年7月25日をもって東急電鉄所属の全車両1,247両(こどもの国線を除く)へ設置が完了しました。
車内非常通報ボタン
具合の悪いお客さまや車内の異常を乗務員に知らせる装置で、車両連結部付近や窓の横、車いすスペースに設置しています(位置は車両により異なります)。田園都市線の5000系と2020系、大井町線の6000系と6020系、東横線、目黒線、池上線、東急多摩川線、世田谷線、こどもの国線では乗務員と通話することができます。
運転士の体調が急変したときに安全を確保するため、ハンドルから手が離れると自動的に非常ブレーキがかかる装置を全車両に搭載しています。
非常ボタン
軌道線も含めて東急線の全ての踏切に設置しています。非常の場合にこのボタンを押すと、接近する列車の運転士に異常を知らせます。
障害物検知装置は、踏切で立ち往生している自動車などの障害物をレーザ光などによって検知し、接近する列車の運転士に異常を知らせる装置です。東横線、目黒線、大井町線、池上線、東急多摩川線では、自動車の通行が可能な全踏切への設置が完了しています(田園都市線には踏切がありません)。なお、2013年度より、踏切全体を検知範囲とすることが可能な3D式装置の導入を開始し、2019年度は9カ所に設置しました。
3D式障害物検知装置
3D式障害物検知のイメージ
踏切事故が多かった踏切では、見通しを良くするため自治体に樹木の伐採を依頼したほか、車のドライバーから見えやすいオーバーハング型警報灯と全方位警報灯を設置するなど、さらなる視認性の向上施策を実施しています。
見通しの良くなった踏切
オーバーハング型警報灯
全方位警報灯