サステナブル経営に対する考え

当社および東急グループは、長期的な視点から、時代によって変化するお客さまのニーズを的確に捉え、新たな事業・サービスを提供し、社会課題を解決していくことが重要であると考えています。そして社員一人ひとりがこの使命を共有し、新たな価値を生み出すことで、社会と共に持続的成長を図っていきたいと考えています。

メッセージ


東急株式会社
取締役社長
堀江 正博

社会課題と向き合い続けてきた100年
 当社は2022年9月2日に創立100周年を迎えました。ここまで支えてくださったステークホルダーの皆さまに感謝申し上げます。
 この100年の間、「まちづくりを通して社会課題に向き合い、新しい価値を提供する」というDNAを継承し、沿線や拠点の開発と交通ネットワークの拡充を両輪として事業を進めてまいりました。例えば、高度経済成長期の東京圏の住宅不足と生活環境の改善という社会課題に対し、現在の多摩田園都市につながる住宅地や交通路の建設を組み合わせたまちづくりを計画し、地域の皆さまとともに開発を進めました。これに代表される当社の姿勢は、これからも変わることはありません。今後も、先人の不断の努力を胸に、変化する社会に対応し、脱炭素・循環型社会に向けた「環境と調和するまち」の実現に取り組むとともに、皆さまが求める「楽しさ」「豊かさ」「美しさ」を提供することで誰もが安心して住み続けられるまちづくりを進め、当社の存在理念「美しい生活環境を創造し調和ある社会と一人ひとりの幸せの追求」に取り組んでまいります。
美しい生活環境の創造を通じたSDGsの実現
 私たちが求める「美しさ」とは、人、社会、自然が調和した中で、国を超え世代を超え、一人ひとりの心に深い感動を呼び起こすありようのことです。この普遍的な価値基準は、世界共通の社会課題であるSDGsの理念にも沿うものであると感じています。
 当社は、サステナブル経営を基本姿勢としており、当社が取り組むべき重要課題として特定した6つのサステナブル重要テーマ(マテリアリティ)は、SDGs169ターゲットなどを参考に、「東急グループにおける重要性」と「社会における重要性」の観点から評価し、まとめたものです。このサステナブル重要テーマと向き合い、バックキャストの視点やクリエイティブな発想で時代と社会の変化に対応したサステナブルなまちづくりに取り組み、SDGsの達成に貢献してまいります。
「楽しさ」「豊かさ」「美しさ」を提供することで誰もが安心して住み続けられるまちづくりを目指す
 ロシア・ウクライナ情勢が長期化する中、地政学的リスクの顕在化やエネルギー・原材料価格の高騰、欧米各国における急速な金融引締め等、未だ先行き不透明な状況が高いレベルで続いております。そのような状況下でも当社がサステナブルであり続け、2030年目標であるSDGsへ一層の貢献ができるよう、「魅力ある沿線の創出」「お客さま目線でのサービス改善」「クリエイティビティ(創造性)の発揮」の3つに注力しながら、東急グループスローガンである「美しい時代」へ向けて歩みを進めてまいりたいと考えております。例えば、2023年3月には利便性や速達性が飛躍的に向上した東急新横浜線を、同4月にはエンターテイメントとホテルが融合した東急歌舞伎町タワーを開業させました。これらのような「楽しさ」「豊かさ」「美しさ」と社会的価値や環境的価値を併せ持った、誰もが安心して住み続けられるサステナブルなまちづくりを進め、お客さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまと共にSDGsに貢献できるアクションに取り組んでまいりたいと存じます。
 皆さまには、当社の事業へのご理解を深めていただくとともに、今後も続く「変革」と、そこから生まれる新たな取り組みへの挑戦にご期待くださいますよう、お願いを申し上げます。
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。

サステナブル経営の方針

当社は、「安全・安心」「まちづくり」「生活環境品質」「ひとづくり」「脱炭素・循環型社会」「企業統治・コンプライアンス」をサステナブル重要テーマ(マテリアリティ)として設定しており、これらに向き合い、「未来に向けた美しい生活環境の創造」および「事業を通じた継続的な社会課題解決」に取り組んでいくという“サステナブル経営”を経営の基本姿勢としています。