不動産ポートフォリオ

マネジメント方針

不動産ポートフォリオ管理方針

当社および連結子会社では、環境方針および「環境ビジョン2030」を定め、気候変動への対応、エネルギー使用、水資源、生物多様性保全、省資源、汚染物質と廃棄物削減といった環境課題に取り組むことを掲げており、不動産事業においても全社方針に則り事業固有の目標を掲げ取り組むこととしています。当社では、テナントを含むステークホルダーと協働し、不動産事業におけるサプライチェーン全体で環境課題に取り組みます。

環境目標とその実績

オフィス・商業施設等の賃貸不動産事業における環境目標

2025年度までに当社所有賃貸不動産※1の電力を100%※2実質再生可能エネルギー由来の電力へ切替

  • ※1売却または取壊し予定物件、テナントが電力契約している物件、ホテル・住宅物件、当社がエネルギー管理権限を有しない一部の共同事業物件を除く
  • ※2テナント専用部を含む建物全体が対象

原則として、2026年度までに主要な賃貸不動産※3について、「CASBEE不動産」、「DBJ Green Building認証」等の環境認証の取得を目指します。

  • ※3ホテル・住宅単体用途の物件を除く、当社持分換算で延床面積10,000㎡以上
実績

当社が所有・管理する賃貸不動産のうち、以下の施設では実質再生可能エネルギー由来の電力を導入しています。

  • 渋谷ヒカリエ
  • 渋谷ストリーム
  • 東急歌舞伎町タワー
  • グランベリーパーク(商業施設) 他

環境性能認証の実績については、以下をご覧ください。

分譲住宅事業における環境目標

2023年1月以降に着工する全ての新築分譲マンションブランド「DRESSER(ドレッセ)」では、環境負荷を軽減する以下の5つの取り組みを標準仕様として導入することを定めています。

①「ZEH Oriented」認証の取得
住まいの断熱性※1・省エネ性能※2を向上させて、年間の一次消費エネルギー量の収支を経済産業省で規定した水準まで近づける「ZEH Oriented」認証を全物件の全住戸で取得します。
  • ※1断熱性仕様:断熱性能(Ua値)0.6以下 
  • ※2省エネ性仕様:一次消費エネルギー(BEI値)0.8以下
②新築工事中および新築建物への実質再生可能エネルギー100%電気の導入
物件の受電を「高圧電力一括受電方式※3」とし、その高圧電力を「実質再生可能エネルギー100%※4」とすることで、物件の共用部、専有部へカーボンニュートラルな電力の供給を実現します。また、新築建物の工事中に使用する電力についても実質再生可能エネルギー100%電気を使用します。
  • ※3一括受電が導入不可能な物件は除く。
  • ※4実質100%再生可能エネルギー電力とは、非化石証書が有する環境価値を付与し、CO₂排出係数を0.000㎏-CO₂/kWhに調整した電力を供給することを表します。非化石証書とは、非化石エネルギー源に由来する電気の環境価値を有し、小売電気事業者が調達して、お客さまに提供することによりCO₂排出量の削減が認められているものです。
③太陽光発電・蓄電池の設置
太陽光発電と蓄電池を全物件に設置、停電時でも蓄電池の電気を活用した共用部の電源やスマートフォンの充電などに活用できます。また、太陽光発電により蓄電池に再充電も可能となるシステムを導入します。
④電気自動車(EV)充電対応
電気自動車の普及に伴うEV充電の需要拡大に対応するため、物件の規模に応じて簡易充電器または急速充電器を設置します。
⑤省エネ設備の標準仕様化
照明のLED化や人感センサー照明の設置、高効率給湯器や保温浴槽の導入など、省エネ性能の高い設備を標準仕様化することで、環境に配慮した住宅開発を目指します。

なお、当社の住宅事業においては、2021年に「ZEHデベロッパー」の認定を取得し、2024年1月竣工予定の「ドレッセタワー南町田グランベリーパーク」、2024年5月竣工予定の「ドレッセタワー武蔵小杉」では既に、引渡後すべての電気に実質再生可能エネルギー100%電気を導入するなど、カーボンニュートラルのライフスタイルの普及促進に取り組んでいます。今後も、当社はマンション開発を通じて、環境と調和する持続可能なまちづくりを推進していきます。

賃貸住宅事業における環境目標

2024年2月以降に着工する賃貸住宅ブランド「STYLIO(スタイリオ)」の当社開発物件※1では、建物竣工前の「ZEH-M Oriented」、建物竣工後の「DBJ Green Building認証」※2、「CASBEE不動産」※3を3つの環境認証取得を標準仕様として開発を行っていきます。

  • ※1当社が開発する物件が対象であり、他社が幹事として開発を行い、当社が共同企業体として参画する物件や、他社の開発物件を当社が購入する場合など、一部を除きます。
  • ※2「DBJ Green Building認証」は、事業主(当社)を対象とした認証であるため、買主が認証を継続させる場合は買主にて新たに認証を取得する必要があります。
  • ※3「CASBEE不動産」は竣工してから1年後以降に取得できる認証であり、竣工後1年以内に売却した物件では取得できません。

環境認証の取得

当社所有・管理の主要な賃貸不動産における環境不動産認証一覧

 
認証名 ランクなど ビル 取得年 延床面積  
LEED ND
(街づくり部門)
GOLD 二子玉川ライズ 2015年 429,300m2 二子玉川ライズ
LEED NC
(新築ビル部門)
※タワーオフィス
GOLD
JHEP認証 AAA 2019年
LEED ND
(街づくり部門)
GOLD 南町田グランベリーパーク 2020年 152,200m2
※商業施設部分
南町田グランベリーパーク
LEED NC
(新築部門)
※駅舎部分
GOLD
BELS ☆☆☆☆ 東急歌舞伎町タワー 2023年 87,044m2 東急歌舞伎町タワー
ZEB Oriented 渋谷アクシュ 2021年 44,500m2 渋谷アクシュ
 Ready(オフィス) 2023年

各物件における取り組み

テナントへのグリーンリース

当社では、賃貸借契約書雛型にグリーンリース条項を定めています。
テナントの皆様と協働し、省エネルギーおよび環境関連の法令等への対応や廃棄物削減などを推進しています。

スマートメーターの使用

当社の管理する下記物件では集中検針システムを導入し、施設内の電気、水道、熱等のエネルギー量を遠隔にて把握しております。

導入物件:JR東急目黒ビル 、香林坊第一開発ビル、東急キャピトルタワー、セルリアンタワー、渋谷ストリーム、東急歌舞伎町タワー、東急博多ビル、渋谷ヒカリエ、中目黒勧業ビル、たまプラーザテラス、青葉台東急スクエア、武蔵小杉東急スクエア、南町田グランベリーパーク、二子玉川ライズ、渋谷スクランブルスクエア

ビル管理システム(BEMS)の導入

当社の管理する下記物件ではBEMSを導入し、エネルギー使用状況や設備機器の運転状況を一元的に把握し、最適な運転計画を立案・実行したり、きめ細かな監視制御によりエネルギー消費量の最小化を図っています。
今後も当社管理物件へのBEMS導入をすすめ、設備の運転電力などグラフで見える化し、エネルギーの無駄使いをなくすための運転管理に活用していきます。

導入物件:東急キャピトルタワー、セルリアンタワー、渋谷ストリーム、東急歌舞伎町タワー、名古屋東急ホテル、青葉台東急スクエア、南町田グランベリーパーク、二子玉川ライズ、渋谷スクランブルスクエア

環境情報データ

当社および連結子会社の不動産事業における環境情報データは、下記ページにて開示しています。

都市の再開発プロジェクト

当社は、創立以来100年以上もの間、「まちづくりを通して社会課題に向き合い、新しい価値を提供する」というDNAを継承し、沿線や拠点の開発と交通ネットワークの拡充を両輪として事業を進めてまいりました。
特に、最重要拠点である渋谷駅周辺・広域渋谷圏では、当社グループが渋谷において長年培ってきたまちづくりノウハウやイニシアチブを生かし、再開発に取り組んでいます。取り組みの詳細については以下ページをご覧ください。

バリアフリー対応

すべての当社所有・管理の不動産物件については、障がい者対応の評価を検討し法令の定める範囲で対応を実施していきます。
また、設計や開発段階で公共交通との接続を考慮することで、高齢者や障がい者を含むあらゆるお客さま、さらには地域に住まわれる方々にとって利用のしやすい施設の実現を目指しています。

鉄道事業においては、99駅全駅でバリアフリールートの整備を完了しています。全てのお客さまが利用しやすい鉄道を目指し、さらなるバリアフリー強化を積極的に進めています。

【事務局】株式会社ディ・エフ・エフ, 【事務局】東急株式会社 社長室 ESG推進グループ 企画担当①, 東急株式会社 社長室 ESG推進グループ 企画担当②