Sustainability サステナビリティ

エネルギーをみんなにそしてクリーンに


エネルギーをみんなにそしてクリーンに​

東急線全路線を再生可能エネルギー由来の電力実質100%で運行

特に関連するターゲット:

  • 7.2 再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大
  • 7.3 エネルギー効率の改善率を倍増

他に関連するゴール:

関連するサステナブル重要テーマ:

  • 安全・安心
  • まちづくり
  • 脱炭素・循環型社会

CO₂排出量実質ゼロの東急線

2022年4月より、東急線全路線での運行に係る電力を再生可能エネルギー由来の実質CO₂排出ゼロの電力に置き換えました。全路線を再生可能エネルギー由来の電力100%で運行するのは日本初の取り組みです。この取り組みにより、CO₂排出量が実質ゼロになり、年間で一般家庭の年間CO₂排出量に換算すると約56,000世帯※にあたる約165,000t-CO₂を削減できる見込みです。本取り組みは、環境ビジョン2030が目指す「環境に良い行動を特別な負担感なく選択できる日常」の実現に向けた重要施策であり、街の脱炭素化に貢献するとともに、同ビジョンが目標とする当社グループ事業での2050年CO₂排出量実質ゼロの達成に向けた各種取り組みを大きく前進させるものです。

※環境省「令和2年度 家庭部門のCO₂実態統計調査(速報値)」より算出

環境に優しい新型車両の導入と省エネの取り組み

本取り組みのほか、再生可能エネルギーを有効に活用するため、車両更新、駅照明のLED化、設備機器の高効率化といった省エネ施策をさらに進めています。

東急線の鉄道車両については、これまで「人と環境にやさしい車両」をコンセプトとした5000系、6000系、7000系の導入を進めてきました。さらに2018年には、新型車両2020系を田園都市線に、6020系を大井町線に、2019年には3020系を目黒線に導入しました。低騒音型の主電動機や駆動装置を採用し、沿線環境・車外の騒音を、旧型車両(8500系)と比べ約10dB低減。また、次世代半導体素子を用いた制御装置による主電動機の高効率駆動や、車内全照明と前照灯・尾灯へのLED灯採用により、使用電力を旧型車両(8500系)と比べ約50%削減しています。田園都市線では新型車両2020系の導入を進め、2023年1月、旧型車両(8500系)の置き換えを完了しました。

また、駅をはじめとした鉄道施設の照明をLED照明にすることにより、消費電力を削減しています。そのうち、駅などの構内照明は、計画的な機器更新を行い、2023年3月末時点で99駅中78駅でLED照明の導入が完了しており、早期の全駅のLED化を目指しています。

再生可能エネルギー由来の電力実質100%マンションの建設

特に関連するターゲット:

  • 7.2 再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大
  •  
  • 7.3 エネルギー効率の改善率を倍増

他に関連するゴール:

関連するサステナブル重要テーマ:

  • 安全・安心
  • まちづくり
  • 脱炭素・循環型社会

当社では、環境ビジョン2030において、「なにげない日々が、未来をうごかす」をコンセプトに、 「環境に良い行動を特別な負担感なく選択できる日常」の実現を目指し、お客さまの脱炭素を促進し、環境に良い行動を後押しするサービスの提供を進めています。

ドレッセタワー武蔵小杉

当社が提供する分譲マンションブランド「ドレッセ」シリーズでは、脱炭素社会への貢献や、安全・安心で一人ひとりのライフスタイルに対応した住まいの提供に取り組んでいます。当社と伊藤忠都市開発株式会社が提供する免震構造の分譲タワーマンション「ドレッセタワー武蔵小杉」は、全住戸・共用部で使用される電力を非化石証書が付与された環境価値を有する再生可能エネルギー由来実質100%の電力とし、カーボンニュートラルに貢献します。分譲タワーマンションにおける実質再生可能エネルギー100%利用は、日本初の取り組みです。また、共用部の一部電力には、太陽光発電による電力を使用することに加え、共用部には非常時に使用可能な蓄電池設備を採用している他、電気自動車(EV)に対応し、EVカー対応の機械式駐車パレットを複数台導入します。また、高強度コンクリート採用による建物の長寿命化を実現し低炭素対策にも取り組んでいます。「ドレッセタワー武蔵小杉」は、2024年5月竣工予定です。

ドレッセタワー南町田グランベリーパーク

田園都市線南町田グランベリーパーク駅直結、商業施設グランベリーパークに隣接する免震構造の分譲タワーマンション「ドレッセタワー南町田グランベリーパーク」においても、非化石証書を利用した実質再生可能エネルギー100%の電力を全住戸・共用部へ供給します。また、25kWの急速充電器を設置し、電気自動車(EV)と再エネ100%電力を活用したカーボンニュートラルのライフスタイルの普及促進に取り組みます。

南町田グランベリーパークは、田園都市線南町田グランベリーパーク駅南側に広がる鶴間公園と、2017年2月に閉館したグランベリーモール跡地を中心とする約22haのエリアです。このエリアでは、官民が連携し都市基盤・商業施設・都市公園・駅などを一体的に再整備・再構築することで、自然とにぎわいが融合したパークライフを満喫できる「新しい暮らしの拠点」を創り出していくまちづくりプロジェクトが進行しています。この物件は、南町田グランベリーパーク駅グランベリーパーク口、商業施設グランベリーパークと2階ペデストリアンデッキで直結しています。

 「ドレッセタワー南町田グランベリーパーク」は、2024年3月竣工予定です。

世田谷区と連携した再生可能エネルギーの地産地消

特に関連するターゲット:

  • 7.2 再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大

他に関連するゴール:

関連するサステナブル重要テーマ:

  • 生活環境品質
  • 脱炭素・循環型社会

東急パワーサプライは、世田谷区用賀にオフィスを構えているご縁で、地元の世田谷区の他、区内で事業を展開する東急グループ施設・企業と連携し、再生可能エネルギーの地産地消に取り組んでいます。

具体的には区が保有する「世田谷区みうら太陽光発電所」で発電された再生可能エネルギー電力を、身近な交通インフラである東急バスの停留所(世田谷区内に所在する50カ所)や都内でも有数の複合施設である二子玉川ライズ(二子玉川)、文化芸術の発信拠点である五島美術館(上野毛)に供給しています。

これにより、CO₂排出量換算で年間約245t-CO₂が削減されるだけでなく、脱炭素社会に向けて環境社会の到来と再エネの活用を皆さまに、暮らしの中で実感していただける官民連携での取り組みとなっています。

さらに、東急パワーサプライ、東急バス、五島美術館の3者は、区民・事業者・区が三位一体となって再生可能エネルギーの利用拡大を目的として世田谷区が制定した「せたがや版RE100」にも参画しています。

排気ガスを出さない、東急バスの水素燃料電池バス

特に関連するターゲット:

  • 7.2 再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大
  • 7.3 エネルギー効率の改善率を倍増

他に関連するゴール:

関連するサステナブル重要テーマ:

  • 安全・安心
  • まちづくり
  • 脱炭素・循環型社会

水素燃料電池バス「SORA」の導入

東急バス・東急トランセは地球環境保全の重要性を認識し、事業活動を通じて省エネルギー・省資源・低公害対策を推進、自然環境への負荷低減に取り組んでいます。

その中でも、温室効果ガスや環境負荷物質を直接排出する排気ガスは重要な課題といえます。これまでも、複数の動力源(軽油で動くエンジンと電気で動くモーター)を車両の駆動に使用するハイブリッドバスなどの環境にやさしいバス車両を導入してきましたが、2020年4月より、水素と空気中の酸素の化学反応により発電し、モーターを駆動させて走る燃料電池バス「SORA」(トヨタ自動車株式会社製)を導入しています。燃料電池バスは、走行時にCO₂や環境負荷物質を排出しないだけでなく、一般的なディーゼルバスと比較して静粛性や乗り心地にも優れています。

水素燃料電池バス「SORA」は、東98系統(東京駅南口~等々力操車所)や、渋41系統(渋谷駅~大井町駅など)で走行しています。

燃料電池バス「SORA」
ハイブリッドバス

排気ガスの環境負荷物質を減少させる取り組み

水素燃料電池バス以外の軽油を使用するバス車両においても、環境負荷物質の排出を抑え、大気汚染を防止する取り組みを行っています。

「排気後処理装置(尿素SCR)」は、添加ノズルより無害なアドブルー(尿素水)をマフラー内へ噴射し、排気の熱による加水分解から生成されたアンモニアを還元剤として、SCR触媒で窒素酸化物(NOx)を分解、無害化するシステムです。燃費を悪化させることなく、NOxを大幅に低減させています。

また、燃料噴射圧力を高圧化し、燃料を微細化することで空気との混合を促進し、完全燃焼させることにより粒子状物質(PM)の発生を抑える「超高圧燃料噴射」と、この「排気後処理装置(尿素SCR)」を組み合わせたディーゼルエンジンを全車両の半数以上の車両で導入しています。さらに、使用する軽油も、窒素酸化物(Nox)と同じく酸性雨の原因物質として知られる硫黄酸化物(SOx)をつくる硫黄分を減少させるものを使用しています。

水素×バイオガス発電 川崎キングスカイフロント東急REIホテル

特に関連するターゲット:

  • 7.2 再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大

他に関連するゴール:

関連するサステナブル重要テーマ:

  • まちづくり
  • 脱炭素・循環型社会

世界初の水素ホテル

多摩川を挟んで羽田空港の対岸に立地する川崎殿町キングスカイフロント。キングスカイフロント地区は、ライフサイエンス・環境分野の企業・研究機関が集積する国際戦略拠点です。この地に2018年6月に開業した「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」は、使用済みプラスチック由来の水素を電気や給湯に活用する、世界初の水素ホテルです。家庭のプラスチックゴミやホテルのアメニティなどの廃棄物から昭和電工社の水素製造設備にて水素を生成し、パイプラインを通じてホテルの燃料電池に運びます。この燃料電池で水素と酸素を化学反応させて発電し、ホテル館内の照明や電源に利用しています。さらに、燃料電池の廃熱を給湯にも活用しています。この取り組みにより、4人家族世帯110世帯分に相当する年間約53万kWhの電気を発電し、ホテルの使用電力量の約30%を賄っており、年間580t-CO₂に相当するCO₂を削減しています。なお、現在は、実証実験を終え、水素燃料電池の更新作業を行っています。

活用方法はそれだけにとどまらず、ロビーで水素エネルギー由来の電気を活用したレタスの水耕栽培を実施し、収穫したレタスをブッフェで提供しています。レタスの栽培には、赤と青のLEDを交互照射することにより通常の栽培法に比べ葉が大きく成長が早い「高速栽培法」を採用し、効率的生育させています。

食品廃棄物100%リサイクルによるバイオマス発電

上記の他、2019年8月より食品廃棄物年間約6,500kgを株式会社Jバイオフードリサイクルの発電施設に提供し、微生物によりメタン発酵させ、発生したバイオガスを燃料として発電する取り組みに参画することで、リサイクル率100%を達成しています。その発電した電気を売電会社であるアーバンエナジー株式会社を通じて買い戻しホテルで活用する、循環型の仕組みも構築しました。その他の電力には100%再生可能エネルギープラン「ゼロエミプラン®」を導入することで、総電力の3割を水素エネルギー、7割を再生可能エネルギーで賄う、電力CO₂フリーホテルが実現しています。

※FIT電気を電源とし、非化石証書やJクレジットを用いて、実質再生可能エネルギー100%を実現する環境重視型の電力供給プラン。
ゼロエミプラン®は、アーバンエナジー株式会社の登録商標です。

「泊まるだけでエコ」なホテルへ

これら一連の取り組みは、環境省による地域連携・低炭素水素技術実証事業および川崎市が推進する川崎水素戦略に基づき他のリーディングプロジェクトとともに官民連携で取り組んでいるものです。これらの実証事業は2022年3月で終了し、今後はホテル独自の取り組みとして脱炭素・循環型社会の実現に向けて一層進化させていきます。世界初の水素発電ホテルとして、工場やレタス栽培の施設見学などと組み合わせたSDGs修学旅行のご提案や、再生可能エネルギーを利用した電動キックボードの貸し出しなど、「泊まるだけでエコ」なホテルを目指し、宿泊体験の価値をさらに高めていきます。