特に関連するターゲット:
- 12.3 食品の廃棄、食品ロスを減少
- 12.5 廃棄物の発生を大幅に削減
当社グループは、生活に密着した幅広い事業を行っており、お客さまがご家庭でお召し上がりになる食材の他、外食事業やホテル事業などさまざまな領域でお客さまにお食事を提供しています。そのような中、食材やお食事を提供する事業者として、サプライチェーン、バリューチェーン全体でフードロス、フードウェイストに取り組むことは重要な社会的責任と考えており、各領域において様々な取り組みを行っています。また、環境ビジョン2030においても、廃棄物原単位の削減目標を設定するとともに、目標達成のためのアクション11では、顧客接点の多い事業特性を生かし、セロ・ウェイスト社会を目指しています。
需要予測発注システムによる食品ロスの削減
東急ストアでは、2018年より順次需要予測発注の仕組みをチルド部門に導入し、食品ロスの削減に取り組んでいます。また、2021年より、東京都の「ICT等を活用した先進的な食品ロス削減」のモデル事業に参画。シノプス社の需要予測発注システムを総菜部門にも導入し、AIによる発注精度の向上や、最適なタイミングでの値引き・追加製造アラートの発報などにより、食品ロスの削減に努めています。
「鮮度保持袋」の使用による高鮮度維持と食品ロス削減
また、東急ストアでは、2016年頃より青果商品(野菜・果物)に鮮度保持袋を使用しています。青果物の呼吸や水分量をコントロールすることで鮮度を保つこの袋の使用により、青果商品を長持ちさせることができ、食品ロス削減につながります。2022年度中に、全商品群の50%へ導入を拡大することを目指し、産地の生産者の皆さまにもご協力をお願いしながら、より新鮮な野菜や果物をお客さまに提供し、お客さまにもご家庭で新鮮なうちに食べきっていただけるよう進めていきます。
食育と食品ロス削減の啓発推進
子どもたちがより健康的な毎日を過ごせるように「バランス良く食べることの大切さ」を、また、全世界で約8億人の人々が飢餓で苦しんでいるのを知り「食べ物の大切さ」を、実際の食品を手に取って、体感しながら学んでもらう活動を行っています。活動にあたっては、健康増進のため野菜・果物を十分に取り入れた正しい食生活を伝える食育活動をしている一般社団法人ファイブ・ア・デイ協会との連携により、家庭でできる食育や食品ロス削減について、子どもたちの気付きを育てています。
2022年度からは食品ロス削減プログラムを強化し、行政や学校との連携を深めています。
ホテルのレストランでのフードロス削減キャンペーン
東急ホテルズが展開する東急REIホテルブランドでは、2020年、「東急REIホテルを食べつくせ!!」キャンペーンを実施しました。これは、同社の若手社員が集結して企画し、東急REIホテルでの朝食の「映え写真」をSNS「Instagram」に投稿していただくことで、宿泊券などが当たるキャンペーンです。タイトルにある「食べつくせ!!」という言葉には、「食べ切る」という意味もあり、朝食のご利用を促進することで、食品ロスの削減に取り組みながら、REIブランドをもっと知っていただきたいという思いが込められています。
また、名古屋東急ホテルでは、ブッフェでの食べ残しを削減するため、お皿への盛りすぎなどを避けるため、ブッフェの楽しみ方などを啓発する食品ロス削減運動に取り組んでいます。併せて、名古屋市環境局が推進する食べ残しゼロ協力店にも加盟し、取り組みを推進しています。
駅を活用したフードロス対策「きになるフードロス」
2021年12月、池上線沿線の温かさやぬくもりのあるデザイン・素材を採用した「木になるリニューアル」で生まれ変わった長原駅では、期間限定で、長原駅および池上線沿線の全4店舗から消費期限内に廃棄となってしまう商品を集荷し、長原駅構内でお客さま向けに販売するイベント「きになるフードロス」を実施しました。食品を扱う店舗において、天候による見込み客数の大きな変動などの理由からフードロスが発生してしまう課題への対策だけでなく、店舗の食品廃棄手間削減にも貢献します。
ベトナムでの食品廃棄物の削減
現地合弁会社のベカメックス東急は、ベトナム・ビンズン省のビンズン新都市において、「東急ガーデンシティ」プロジェクトを推進し、まちづくりや交通インフラの整備を行っています。同市における商業施設「Hikari」では、施設内のレストランと共に食品廃棄物の削減に取り組んでいます。
生ごみや調理過程で出る野菜くず、失敗したピザ生地などをコンポストで堆肥化。施設内のエディブルガーデン(食べられる植栽)の肥料や施設内で飼育する魚のえさとして活用しております。
また、この過程の中で行うごみの分別により、ごみ自体の排出量と食品ロスを減らす意識を高めています。