Sustainability サステナビリティ

気候変動に具体的な対策を


気候変動に具体的な対策を​

災害に強い安全・安心なまちづくりの実現に向けた水害対策

特に関連するターゲット:

  • 13.1 気候関連災害や自然災害に対する強靭性及び適応の能力強化

他に関連するゴール:

関連するサステナブル重要テーマ:

  • 安全・安心
  • まちづくり
  • 脱炭素・循環型社会

当社グループでは、サステナブルなまちづくりを実現するため、自然災害に対するレジリエンス強化の取り組みを実施しています。2020年9月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、シナリオ分析に基づいたリスクと機会の抽出や影響度の算定を行うとともに、これを事業戦略に実装し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目を、ウェブサイトの他、統合報告書や有価証券報告書で開示しています。

渋谷駅東口雨水貯留施設の設置

渋谷駅周辺は、すり鉢状の地形のため、浸水や冠水の被害を受けやすいという課題がありました。近年増加している集中豪雨に備え、当社と独立行政法人都市再生機構は、渋谷駅街区土地区画整理事業共同施行者として、「水害に強く安全・安心なまちづくりの実現」を目指し、渋谷駅東口雨水貯留施設の整備を進め、2011年2月に工事着手、2020年8月に整備完了・供用を開始しました(管理は東京都下水道局)。当該施設は、渋谷駅東口地下広場の地下約25mの深さに位置する、南北約45m・東西約22mの大規模構造物で、約4,000㎥の雨水を一時的に貯水できる施設です。1時間当たり50㎜を超える強い雨が降った場合に取水し、天候が回復した後にポンプで既設下水道幹線へ排水することにより、浸水被害を防止します。

なお、多摩川に至近の二子玉川ライズでも、地下にこれと同程度の規模の雨水貯留施設を整備しており、水害などに対する街のレジリエンスを強化し、安全・安心でサステナブルなまちづくりに貢献しています。

南町田グランベリーパークのグリーンインフラ

当社と東急電鉄が町田市と連携・協働して、駅・商業施設・都市公園を一体的に整備し、2019年にまちびらきした「南町田グランベリーパーク」は、「まちのぜんぶが“パーク”となる」をコンセプトとした、にぎわいと緑の融合を生かしたオープンスペースが連続するシームレスなまちです。エリア全体で浸透性舗装やバイオスウェル、レインガーデンなどを採用することで、雨水の一部が地中に還元する仕組みを整え、自然環境が有する機能を利用して社会基盤整備を行う「グリーンインフラ」を活用した雨水管理を行っています。

このような取り組みが評価され、国際的な環境認証制度「LEED ND(まちづくり部門)」のゴールド認証を取得しました。認証エリア内に駅を含むゴールド認証取得は日本初となりました。

他にも、商業施設「グランベリーパーク」の外構部に花や実のなる樹木などを植栽することで、鳥や昆虫類の生息を促し、自然とにぎわいとの融合を目指しています。

東急電鉄の水害対策

特に関連するターゲット:

  • 13.1 気候関連災害や自然災害に対する強靭性及び適応の能力強化

他に関連するゴール:

関連するサステナブル重要テーマ:

  • 安全・安心
  • まちづくり
  • 脱炭素・循環型社会

東急電鉄では、集中豪雨などによる浸水被害や鉄道敷地内の斜面(法面)崩れなどが発生した場合に、列車運行への影響を防ぐための各種対策を計画的に推進しています。

浸水被害対策

浸水被害への対策としては、地下区間の換気口への水の流入を防ぐためのかさ上げや、駅出入口の水の侵入を防ぐための止水板の設置、各機器室に防水扉を設置するなどを実施しています。また、浸水対応マニュアルの整備や車庫留置車両の待避訓練なども実施しています。このような浸水被害のリスクがある大雨に備えるため、気象情報システムにより、日々気象情報等の収集を行っています。東急線各所に設置した風速計や雨量計の情報は、運輸司令所に集約され、規程で定められた計測値により、運転中止を含む運転規制の指示や各部門への警戒体制等を伝達します。なお、気象情報システムには、地震計も設置されており、水害のみならず大規模地震への備えと一体的にハード面、ソフト面の対策を実施しています。

斜面(法面)崩れへの備え

鉄道敷地内の斜面崩れの対策としては、土砂が線路内に流入し運行できなくなることを防ぐため、線路脇の斜面をコンクリートなどで補強する工事などを推進しています。なお、これらの土木構造物に対する補強工事は、大規模地震に備えた耐震補強工事など水害以外の自然災害に対する備えと一体的に実施しています。