不動産ポートフォリオ

マネジメント方針

不動産ポートフォリオ管理方針

当社および連結子会社では、環境方針および「環境ビジョン2040」を定め、気候変動への対応、エネルギー使用、水資源、生物多様性保全、省資源、汚染物質と廃棄物削減といった環境課題に取り組んでいます。不動産ポートフォリオにおける開発および管理運営においても、これらの全社方針に基づき、事業特性に応じた環境目標を設定し、実践しています。また、テナントを含むステークホルダーと協働し、気候変動、エネルギー利用、水使用、生物多様性などの環境課題に配慮した不動産管理を推進し、不動産事業のサプライチェーン全体で環境負荷の低減に取り組みます。

また、サプライチェーン全体で社会的価値と経済的価値の創造に寄与する、責任ある活動となっていることが必要という考え方の下、当社および連結子会社の従業員だけでなく、テナント従業員やお取引先様に対しても、サステナブルなサプライチェーン方針を通じ、健康・安全・均等な機会などの社会課題に配慮をお願いしています。

当社および連結子会社主導の主な取り組みとして、運営する商業施設において、テナント従業員向け防災訓練の実施のほか、地域・テナント が一体となった防災イベントを開催しています。健康面への配慮においては、従業員がしっかりと休息をとれるよう、従業員休憩室の充実に努めており、たまプラーザ テラスにおいてはマッサージ器を設置するなど、テナント従業員の健康への配慮を実践しています。また、テナントとのコミュニケーションにおいて、株式会社東急モールズデベロップメントでは、2023年より従業員アプリを導入することで、店舗スタッフの人員不足が課題となっている中、施設内の店舗運営に関する事務手続きを削減し、店舗の営業に集中できる体制を構築、また研修等の配信や情報連携で、均一な情報伝達と、迅速なコミュニケーションを図っております。

環境目標とその実績

オフィス・商業施設等の賃貸不動産事業における環境目標

(1)2025年度度までに当社所有賃貸不動産※1の電力を100%※2実質再生可能エネルギー由来の電力へ切替

2025年度までの目標としていた、「当社所有賃貸不動産の電力100%実質再生可能エネルギー由来の電力導入」 については、2024年度に達成いたしました。

今後はこれを維持していくこととしています。 

  • ※1ホテル・住宅物件、当社がエネルギー管理権限を有しない一部の共同事業物件を除く
  • ※2テナント専用部を含む建物全体が対象

(2)主要な賃貸不動産※3について、2026年度までに「CASBEE不動産」、「DBJ Green Building認証」等の環境認証の取得100%を目指します。

  • ※3ホテル・住宅単体用途の物件を除く、当社持分換算で延床面積10,000㎡以上
実績

(1)2024年度、当社所有賃貸不動産について、100%実質再生可能エネルギー由来 の電力への切り替え達成

実質再生可能エネルギー由来電力の主な導入施設(2025年6月時点)

東急株式会社
導入状況 施設
コーポレートPPA 東急歌舞伎町タワー、渋谷ストリーム、南町田グランベリーパーク、渋谷キャスト、たまプラーザテラスノースプラザ、中央林間東急スクエア、渋谷ヒカリエ、セルリアンタワー、東急キャピトルタワー
その他再生可能エネルギー 二子玉川ライズ(一部導入)、青山オーバルビル、渋谷ブリッジ、JR東急目黒ビル など
東急モールズデベロップメント株式会社
導入状況 施設
その他再生可能エネルギー たまプラーザテラス、青葉台東急スクエア、五反田東急スクエア、東急スクエアガーデンサイト、あざみ野三規庭、武蔵小杉東急スクエア(一部導入) など

(2) 2025年10月現在、対象物件の床面積に対し、74%の所有物件において環境認証を取得しています。

環境性能認証取得状況(2025年10月時点)

分譲住宅事業における環境目標

2023年1月以降に着工する全ての新築分譲マンションブランド「DRESSER(ドレッセ)」では、環境負荷を軽減する以下の5つの取り組みを標準仕様として導入することを定めています。

①「ZEH Oriented」認証の取得
住まいの断熱性※1・省エネ性能※2を向上させて、年間の一次消費エネルギー量の収支を経済産業省で規定した水準まで近づける「ZEH Oriented」認証を全物件の全住戸で取得します。
  • ※1断熱性仕様:断熱性能(Ua値)0.6以下 
  • ※2省エネ性仕様:一次消費エネルギー(BEI値)0.8以下
②新築工事中および新築建物への実質再生可能エネルギー100%電気の導入
物件の受電を「高圧電力一括受電方式※3」とし、その高圧電力を「実質再生可能エネルギー100%※4」とすることで、物件の共用部、専有部へカーボンニュートラルな電力の供給を実現します。また、新築建物の工事中に使用する電力についても実質再生可能エネルギー100%電気を使用します。
  • ※3一括受電が導入不可能な物件は除く。
  • ※4実質100%再生可能エネルギー電力とは、非化石証書が有する環境価値を付与し、CO₂排出係数を0.000㎏-CO₂/kWhに調整した電力を供給することを表します。非化石証書とは、非化石エネルギー源に由来する電気の環境価値を有し、小売電気事業者が調達して、お客さまに提供することによりCO₂排出量の削減が認められているものです。
③太陽光発電・蓄電池の設置
太陽光発電と蓄電池を全物件に設置、停電時でも蓄電池の電気を活用した共用部の電源やスマートフォンの充電などに活用できます。また、太陽光発電により蓄電池に再充電も可能となるシステムを導入します。
④電気自動車(EV)充電対応
電気自動車の普及に伴うEV充電の需要拡大に対応するため、物件の規模に応じて簡易充電器または急速充電器を設置します。
⑤省エネ設備の標準仕様化
照明のLED化や人感センサー照明の設置、高効率給湯器や保温浴槽の導入など、省エネ性能の高い設備を標準仕様化することで、環境に配慮した住宅開発を目指します。

なお、当社の住宅事業においては、2021年に「ZEHデベロッパー」の認定を取得し、2024年1月竣工予定の「ドレッセタワー南町田グランベリーパーク」、2024年5月竣工予定の「ドレッセタワー武蔵小杉」ではすでに、引渡後すべての電気に実質再生可能エネルギー100%電気を導入するなど、カーボンニュートラルのライフスタイルの普及促進に取り組んでいます。今後も、当社はマンション開発を通じて、環境と調和する持続可能なまちづくりを推進していきます。

賃貸住宅事業における環境目標

2024年2月以降に着工する賃貸住宅ブランド「STYLIO(スタイリオ)」の当社開発物件※1では、建物竣工前の「ZEH-M Oriented」、建物竣工後の「DBJ Green Building認証」※2、「CASBEE不動産」※3を3つの環境認証取得を標準仕様として開発を行っていきます。

  • ※1当社が開発する物件が対象であり、他社が幹事として開発を行い、当社が共同企業体として参画する物件や、他社の開発物件を当社が購入する場合など、一部を除きます。
  • ※2「DBJ Green Building認証」は、事業主(当社)を対象とした認証であるため、買主が認証を継続させる場合は買主にて新たに認証を取得する必要があります。
  • ※3「CASBEE不動産」は竣工してから1年後以降に取得できる認証であり、竣工後1年以内に売却した物件では取得できません。

環境認証の取得

環境不動産認証実績

単位 2023年度 2024年度 2025年10月現在
CASBEE 物件数 5 10 12
床面積 236,905 555,143 768,113
床面積割合 15% 35% 49%
LEED 物件数 2 2 2
床面積 337,797 337,797 337,797
床面積割合 21% 21% 21%
DBJ Green Building 物件数 0 1 1
床面積 0 49,654 49,654
床面積割合 0% 3% 3%
JHEP 物件数 1 1 1
床面積 196,359 196,359 196,359
床面積割合 12% 12% 12%
認証取得合計※1 物件数 8 13 15
床面積 771,062 942,595 1,155,585
床面積割合 48% 60% 74%
対象物件合計※2 床面積 1,594,664 1,571,554 1,571,554

※1 同一物件で複数の認証を取得している場合は、重複を避けるため、その物件を1つとして数え、合計値を計算します。

※2 ホテル・住宅単体用途の物件を除く、当社持分換算で延床面積10,000㎡以上の物件の合計値

環境認証取得一覧

2025年3月末時点
物件名 認証 ランク
二子玉川ライズ LEED ND(まちづくり部門) ゴールド認証
LEED NC(新築ビル部門) ゴールド認証
JHEP認証(生物多様性) AAA
南町田グランベリーパーク LEED ND(まちづくり部門) ゴールド認証
LEED NC(新築部門) ゴールド認証
クイーンズスクエア横浜 CASBEE 不動産 Sランク
渋谷スクランブルスクエア CASBEE 不動産 Sランク
渋谷ヒカリエ CASBEE 不動産 Sランク
渋谷キャスト CASBEE 不動産 Sランク
JR東急目黒ビル CASBEE 不動産 Sランク
青山オーバルビル CASBEE 不動産 Sランク
渋谷アクシュ CASBEEウェルネスオフィス Sランク
ZEB Oriented  
ZEB Ready  
蒲田東急ビル CASBEE 不動産 Aランク
キャロットタワー CASBEE 不動産 Aランク
東急渋谷駅前ビル(商業) CASBEE 不動産 Aランク
町田ターミナルプラザ CASBEE 不動産 Aランク
渋谷マークシティ DBJ GREEN BUILDING ★★★★
東急日吉駅ビル CASBEE 不動産 Aランク
東急歌舞伎町タワー BELS認証 ★★★★
ドレッセ鷺沼レジデンス ZEH Oriented
ドレッセあざみ野グランコート ZEH Oriented
ドレッセ新横浜 ZEH Oriented
スタイリオ蒲田Ⅱ DBJ Green Building認証 ★★★★
CASBEE 不動産
スタイリオ蒲田Ⅱ池上WeLL DBJ Green Building認証 ★★★
スタイリオ新丸子駅前 ZEH-M Oriented
スタイリオ池上SOUTH ZEH-M Oriented

各物件における取り組み

テナントへのグリーンリース

当社では、賃貸借契約書雛型にグリーンリース条項を定めています。
テナントの皆さまと協働し、省エネルギーおよび環境関連の法令等への対応や廃棄物削減などを推進しています。

スマートメーターの使用

当社の管理する下記物件では集中検針システムを導入し、施設内の電気、水道、熱等のエネルギー量を遠隔にて把握しております。

導入物件:JR東急目黒ビル 、香林坊第一開発ビル、東急キャピトルタワー、セルリアンタワー、渋谷ストリーム、東急歌舞伎町タワー、東急博多ビル、渋谷ヒカリエ、中目黒勧業ビル、たまプラーザ テラス、青葉台東急スクエア、武蔵小杉東急スクエア、南町田グランベリーパーク、二子玉川ライズ、渋谷スクランブルスクエア

ビル管理システム(BEMS)の導入

当社の管理する下記物件ではBEMSを導入し、エネルギー使用状況や設備機器の運転状況を一元的に把握し、最適な運転計画を立案・実行したり、きめ細かな監視制御によりエネルギー消費量の最小化を図っています。
今後も当社管理物件へのBEMS導入を進め、設備の運転電力などグラフで見える化し、エネルギーの無駄使いをなくすための運転管理に活用していきます。

導入物件:東急キャピトルタワー、セルリアンタワー、渋谷ストリーム、東急歌舞伎町タワー、名古屋東急ホテル、青葉台東急スクエア、南町田グランベリーパーク、二子玉川ライズ、渋谷スクランブルスクエア

環境情報データ

当社および連結子会社の不動産事業における環境情報データは、下記ページにて開示しています。

都市の再開発プロジェクト

再開発方針

当社は、創立以来100年以上もの間、「まちづくりを通して社会課題に向き合い、新しい価値を提供する」というDNAを継承し、沿線や拠点の開発と交通ネットワークの拡充を両輪として事業を進めてまいりました。昨今、人口動態の変化やテクノロジーの深化に伴い、消費や移動などの行動様式が変わりつつあります。また、自然災害や資源・エネルギーのひっ迫、感染症など、環境問題や新たな社会課題への関心も高まっています。
街の再開発にあたっては、建物の老朽化対策、防災・レジリエンス強化、インフラ再編、公共空間整備など、新しい社会のニーズに適応したまちづくりを進めることが重要であるという認識のもと、各エリアの特性に合わせ、再開発を行うこととしています。(または、「再開発方針を策定しています。」)
渋谷の再開発においては、従前設定した「Greater SHIBUYA 1.0」を継続しつつ、さらに進化・深化させた新戦略「Greater SHIBUYA 2.0」にて、Greater SHIBUYA 1.0の2つのビジョンを強化した、4つの基本方針を策定、渋谷ならではの魅力を生かした都市ライフを提案すべく、「働く」「遊ぶ」「暮らす」「デジタル」「サステナブル」の取り組みを推進し、渋谷をさらに魅力ある街にするため、具体的な施策を推進しています。

広域渋谷圏における開発

渋谷駅周辺・広域渋谷圏のエリアにおいて、東急グループならではの社会価値提供による、「働く」「遊ぶ」「暮らす」が融合した持続性のある街を目指し、渋谷まちづくり戦略「Greater SHIBUYA 2.0」を策定し、広域渋谷圏の再開発を進めています。
東急グループは、これまで「エンタテイメントシティSHIBUYA」と「広域渋谷圏(Greater SHIBUYA)構想」の2つのビジョン(以下、「Greater SHIBUYA 1.0」)を掲げ、渋谷駅周辺における再開発プロジェクトや、官民一体で組成した「渋谷駅前エリアマネジメント」の活動、地域イベントへの参画・協力など、さまざまな分野において関係者と協力して、街の課題解決と価値向上に取り組んできました。
「Greater SHIBUYA 1.0」を継続しつつ、さらに進化・深化させた新戦略「Greater SHIBUYA 2.0」では、「働く」「遊ぶ」「暮らす」の3要素の融合と、その基盤となる「デジタル」「サステナブル」に取り組むことで相乗効果を創出。それぞれに有機的なつながりを持たせ、渋谷で楽しく快適に過ごす「渋谷型都市ライフ」の実現を目指しています。とりわけ「働く」「遊ぶ」「暮らす」の3要素については、時間、場所を選ばない⽣活ができる時代だからこそ、渋⾕ならではの⾃分らしい選択ができるよう、「働く=Flexible」「遊ぶ=Touchable」「暮らす=Switchable」というキーワードを設定し、さまざまな取り組みを推進していいます。

障がい者対応

当社では、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)に則り、全ての当社所有・管理の不動産物件において、建物の規模や用途、利用者に応じて障がい者対応の評価を実施し、その結果に基づき、スロープやエレベーター、バリアフリートイレの設置、必要な通路幅の確保など、必要に応じた適切な対応を行っております。また、設計や開発段階で公共交通との接続を考慮することで、高齢者や障がい者を含むあらゆるお客さま、さらには地域に住まわれる方々にとって利用のしやすい施設の実現を目指しています。

鉄道事業においては、99駅全駅でバリアフリールートの整備を完了しています。全てのお客さまが利用しやすい鉄道を目指し、さらなるバリアフリー強化を積極的に進めています。

【事務局】株式会社ディ・エフ・エフ, 【事務局】東急株式会社 社長室 ESG推進グループ 企画担当①, 東急株式会社 社長室 ESG推進グループ 企画担当②