基本的な考え方

基本的な考え方

豊かさ・快適さ、そして、当社事業の根幹である交通事業をはじめとする「安全」と「安心」「安定」の確保は、お客さまが当社にお寄せくださる信頼の源泉です。そして、従業員とその家族の健康維持・増進がこれらの信頼を担保する柱となり、ひいては、お客さまである東急線沿線に住まわれる方々の生活環境を充実させることができると考えています。
当社創業者である五島慶太翁は、『人の成功と失敗のわかれ目は第一に健康である。次には、熱と誠である。体力があって、熱と誠があるならば、必ず成功する。』と残しています。健康が不可欠という考えは、当社の価値観として創業当初より脈々と受け継がれてきました。

※「熱誠」 東京都市大学グループの祖・五島慶太翁 生誕130年記念誌より

健康宣言

東急グループの存在理念(美しい生活環境を創造し、調和ある社会と、一人ひとりの幸せを追求する)を踏まえ、その実現に欠くことのできない「健康」を追求する経営を推進するため、2016年2月1日付にて制定しました。

東急株式会社 人材戦略室 労務企画グループ ダイバーシティ推進担当

推進体制

推進体制

当社では、従業員の健康管理、健康増進を促進する者として最高健康責任者(Chief Health Officer)を設置し、社長執行役員がこれを担うこととしています。また、人材戦略室が中心となり取り組みを推進し、東急病院による医療的な支援で連携しています。
この推進体制のもと、社員とその家族に対し、「メンタルヘルス対策」「がん対策」「生活習慣・運動対策」を講じることで、健康の維持・増進を図り、「安心・安全の更なる構築」と「労働生産性の向上」に努めています。

目標と実績

<健康経営における実績と目標値>

<長期欠勤者の状況>
メンタル疾患による休業状況(2022年度)

件数 20件
日数(合計) 2,296日
東急株式会社 人材戦略室 労務企画グループ ダイバーシティ推進担当

主な取り組み

主な取り組み

「歩く」の習慣化

当社は、従業員向けの取り組みとして、「歩く」の習慣化に力を入れています。ウォーキングの推進に向けた3つの取り組みを連動させることで、歩く習慣化を促進しています。

①WalkBiz(ウォークビズ)の推進

2016年秋より、本社勤務員に対してWalkBiz(ウォークビズ)スタイルでの勤務を推奨、強化月間を設けながら推進しています。足元を身軽にし、ひと駅歩くことや階段を上ることで、一番長い時間を過ごす職場を運動環境に変えることを目的としています。

②ウォーキング大会の開催


ウォーキング大会の様子
(10月ごろに開催)

毎年10月ごろに東急労働組合と共同開催にて、ウォーキング大会を開催。毎回約700名の従業員が参加しています。
職場コミュニケーション単位もしくは家族と参加する方がほとんどで、ウォーキングを始めるきっかけ作りと、職場や家庭のコミュニケーション活性化を推進しています。

③職場対抗ウォーキング選手権の開催

健保組合が推奨する歩数計アプリを利用し、職場単位で歩数を競い合う「職場対抗ウォーキング選手権」を2016年度より実施しています。これは、「職場一丸となって健康を志向する文化」を醸成する試みであり、結果を集計し、「平均歩数」と「参加人数」の両軸を評価対象として成績優秀な部署をCHOより表彰しています。

年間を通じた運動イベント

ウォーキング大会のみならず、運動会・駅伝大会も労働組合との共催にて年に1度開催をしており、どちらも例年1,000名以上の参加規模となる、伝統的な大イベントとなっています。また、ウォーキング大会・運動会は、従業員のみならず、家族も多く参加し、健康宣言にて掲げる従業員とその家族の健康づくりの一環として、運動する楽しさやウォーキングの習慣化を促進しています。


運動会の様子(5月開催)


駅伝大会の様子(11月開催)

若年従業員の生活習慣病予防対策

特定保健指導対象年齢未満の39歳以下の若年従業員を対象に、生活習慣病予防のための独自の取り組みを2020年度より実施しています。ジム利用のほか、トレーニング機器や宅配食、ダイエット食の購入などに補助金を支給しながら、保健師が面談や、メールなどで食事や運動などのサポートを行い、生活習慣の改善を図るものです。さらに、条件に該当しないながらも血糖コントロールが不良な社員に対しては、血糖コントロール教室を開催しています。

がん対策

がんの早期発見、治療による効果は、本人や家族のみならず、会社にとっても重要な取り組みであり、健康経営を進める上の重要施策と捉えています。
当社ではこれまで、東急病院・健康管理センターの定期健診や人間ドックにより、従業員に対して一定のがん対策を行ってまいりましたが、さらなる取り組みの強化として、以下の検診を実施しています。
特に、胃がん対策として、ピロリ菌感染有無や胃粘膜萎縮度を調べる胃がんリスク検診(ABC検診)により、胃がんのリスクを分類評価し、がんの罹患予防の一助としました。また、ダイバーシティマネジメントの推進により女性の就業者比率が向上しており、これに伴って、卵巣がんや乳がん対策を強化しています。

項目 実施内容 実施対象年齢
大腸がん検診 便潜血検査2回法 35歳以上全員に実施
胃がんリスク検診(ABC検診) 血液検査 35歳以上全員に実施(1回)
前立腺がん検診(PSA) 血液検査 40歳以上の男性全員に実施
卵巣がん等検診(CA125)
子宮頸がん検診
血液検査他 35歳以上の女性全員に実施
乳がん検診 マンモグラフィ
および 乳房超音波
35歳以上の女性全員に実施(隔年)

さらに、禁煙・分煙対策として事業所内の完全分煙を実施、喫煙所を廃止し、禁煙セミナーも開催しました。また、2019年7月より就業時間内の禁煙も実施しています。

「健康ステーション大岡山」

当社では、従業員の健康促進のみならず、東急線沿線の皆さまの健康づくりを応援しています。東急病院がある大岡山駅周辺を「健康ステーション大岡山」と称し、健康の発信拠点として、2015年から、駅の階段に健康応援メッセージを記載したステッカーを貼付している他、東京工業大学の大岡山キャンパスと協働し、健康チェック&ウォーキングイベントを開催するなど、さまざまな取り組みを実施しています。2017年からは「みんなでつくろう大岡山健康階段」と題して、地域の方々から健康増進につながる標語を募集し、700を超える作品の中から選出された48作品を掲出しています。


駅構内の階段などに、健康応援メッセージを記載した
ステッカーや、セルフチェック表を貼付


聴診器をつけた「のるるん」も登場

東急株式会社 人材戦略室 労務企画グループ ダイバーシティ推進担当

労働安全衛生

労働安全衛生

快適で働きやすい職場環境をつくり、従業員一人ひとりに災害がなく健康で明るくいきいきと働くことが、安全の確保とお客さまに対する心のこもったサービス提供への第一歩であると考えています。そのため、従業員へ健康診断の実施・産業医や保健師の指導・東急病院での医療サービスまで、ワンストップの健康管理を提供しています。

安全衛生委員会

当社では、産業医、各部門の従業員から選任された衛生管理者、専任安全衛生管理者、労働組合代表者などを委員とした「安全衛生委員会」を毎月開催し、労働安全衛生・健康経営に関する議題の共有や議論を行う場を設けています。また、安全衛生委員会の上位の会議体として、1年に1度、安全衛生担当の執行役員および労働組合の委員長などを委員とする「中央安全衛生委員会」も開催。労働安全衛生・健康経営に関する年間の取り組みの報告・議論を行い、その結果をイントラネットで適宜従業員に周知しています。

研修実績

健康・安全基準に関する研修を受講した従業員数

年度 受講者数
2023年度 31人

上記研修の他、「グループ労働衛生研修会」を毎年開催し、労働衛生について周知するとともに、「喫煙の有害性と禁煙の有効性」や「職場のメンタルヘルス対策」などの講話による教育の機会を設けています。

労働安全

労働災害発生状況と防止活動(2022年度)

  件数
業務災害 3件
通勤災害 5件

業務災害のうちヒューマンエラー災害によるものが大半を占めています。これを防止するため、労働安全衛生マネジメントシステムの中核であるリスクアセスメントを取り入れています。職場内のどこにどのような危険因子が存在するかを抽出し、対策を立て、危険に対する認識を職場全体で共有することにより、労働災害の防止を図っています。

労働衛生

従業員の身体・精神面での健全化を達成することを目指しています。 基本施策として以下の4つに取り組みます。

基本施策

  • メンタルヘルス対策
  • がん対策
  • 生活習慣病・運動対策
  • ワークライフバランス

健康診断・感染予防

職場における従業員の安全と健康を確保するため、「会社は従業員に健康障害はおこさせないという意思をもつ」という基本姿勢のもと、健康診断や産業医・保健師による保健指導、労働衛生研修会の開催など積極的に取り組んでいます。
新型コロナウイルス感染予防対策では、お客さまおよび従業員の安全確保を最優先に、さまざまな感染予防・感染拡大防止に取り組んでいます。また、インフルエンザの感染予防として、原則、全従業員を対象にワクチン接種を毎年実施しています。このほか、健康増進の取り組みの一環として、2007年度から「体力づくりウォーキング大会」を開催しており、毎年多数の従業員が参加しています。(現在、新型コロナウイルス感染症感染防止に伴い休止中)
メンタルヘルス対策については、従業員自らのセルフケア、管理監督者によるラインケアおよび産業医を中心とした産業保健スタッフによるケア体制を構築しています。また、管理職クラスのメンタルヘルス研修会を開催しています。

2015年12月に実施が義務化されたストレスチェック制度では、当社産業医が作成したオリジナルのチェックリストを用いてストレスチェックを実施しています。また、メンタルヘルス不調発生のリスクが高いとされる入社・異動から間もない従業員についても別途アンケートを実施し、悩みの段階で早期介入するなど、産業保健スタッフと各職場が連携しながら、フォロー体制を構築しています。

保健師による健康相談

東急病院健康管理センターには、専属の保健師が在籍しており、産業医と共に、健康相談を通じて従業員の健康の保持・増進の支援を行っています。相談内容によっては、医療機関や産業医に引き継ぐなど、適切な対応を行います。
保健師は定期的に各職場を訪問して相談を受けるほか、電話での相談も受け付けています。電話相談だけでは解決が難しい場合は、面談でより詳しい状況を聞くなど、相談者にあわせて臨機応変に対応しています。

メンタルヘルスの社内・社外相談窓口

2006年4月から社外の専門機関と提携し「こころの健康相談窓口」を開設しています。まず電話で相談し、その後必要に応じて面接相談を行います。面接相談にかかる費用は当社が負担し、本人は交通費の負担のみで相談できます。相談者の相談内容は秘匿されます。
また、連絡先がすぐに分かるよう、従業員全員に配布される手帳に社内および社外窓口の電話番号を記載しています。

労働安全衛生に関するデータ

東急株式会社 人材戦略室 労務企画グループ ダイバーシティ推進担当